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薬物問題は、精神保健の問題であり、青少年問題でもあると同時に多くの場合違法行為でもあります。そのために、青少年の薬物問題に関わる大人は、法律についての知識も持ち合わせている必要があります。
薬物乱用の増加は、青少年の意識に違法薬物の乱用に関するダブルスタンダードを形成するでしょう。法的な善悪と、倫理的あるいは日常的意識における善悪の解離です。ことに大麻などに関しては、このような意識に根ざした解禁論に、少なくない若者が触れていると推測されます。
その結果、軽い気持ちで薬物を乱用した若者が、想像以上に厳しい罰則を科せられるということは少なくありません。
薬物乱用は法に触れるからダメ!というだけでは、若者に対する説得力は心許ないものとなりますが、一方では若者たちが自分たちのしようとする行動の法律的な重みを分かっている必要はあるでしょう。
薬物乱用が法律に触れることの意味を、若者と話し合うことは、自ら考え、行動する力を育てるために役立つと思われます。
また、薬物乱用の治療が行われる精神科の病院は、精神保健福祉法という法律に則って運営されています。精神障害では、時に自らの治療の必要性を適切に判断する能力が、病気のために制限される場合があります。そのような場合でも、できる限り本人の同意にもとづく治療が行われなければなりませんが、強制力を伴う治療もやむを得ないという場合もあります。そのような場合でも、患者の人権が過度に侵害されることがないようにするのが、この法律の一つの目的です。
実際に、精神科の病院を受診する必要が出てきた場合などは、この法律のことを理解していると医療機関を利用する際に役立つでしょう。
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