集中できない子ども


学校から、「お宅のお子さんは、教師の言うことをちゃんと聞いていません」とか「クラスで問題を起こします」などと言われたら、両親はがっくりするでしょう。このような行動上の問題を引き起こす可能性の一つが、注意欠陥多動障害(ADHD)です(可能性の一つにすぎません)。

ADHDの問題を持つ子どもは、良い生徒になろうと思っても、衝動的な行動や場面に応じて適切な注意を集中することができないために、クラスの邪魔をしてしまいます。教師や両親それに級友は、その子が「不作法」であったり「問題児」であることは分かるのですが、なにが悪いかを正確に言うことはできません。児童思春期精神科医は、注意欠陥多動障害の子どもを診断し、治療することができます。

ADHDの「多動」の症状は、小さい子どもの場合走り回ったり何かに登ったりすることが度を超えているということであったり、少し年長の子どもでは度を超えて落ち着きがないということであることもあります。正常の活動性の高い子どもの場合と比べて、ADHDの子どもの「多動」は、計画性がなく、秩序に乏しく、目的がありません。ADHDの性別の出現率は、男の子が女の子の10倍程度です。

ADHDの問題のある子どもは、下にあげる特徴の内のいくつかを持っています:

適切な治療が施されないと、学校の勉強で落ちこぼれたり、遊びやそのほか仲間との関係で相互関係がうまくできないために、友人との関係がうまくいかなくなったりすることもあります。成功するという体験よりも失敗することの方が多く、この病気について理解していない教師や家族から叱られることで、自尊心が傷つけられてしまいます。

薬物療法についての研究は、薬物療法がADHDに有効であることを示しています。ADHDに対して処方される薬物は、行動の評価と医学的精神療法、両親への援助、教師に対するコンサルテーションなどの包括的な治療計画の中の一部として用いられることによって最も有効に作用します。

子どもがADHDのような問題行動を起こした場合、この病気を診断し治療することができる児童青年期精神科医に紹介してくれるように、かかりつけの小児科医などに頼むと良いでしょう。子どもと児童青年期精神科医との面接で、両親は子どもの問題にいかに対処すべきかを学ぶことができます。さらに、児童精神科医は教師が注意欠陥多動障害の問題を持つ子どもをより効果的に教育することを手助けします。


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このページはthe American Academy of Child and Adolescent Psychiatry(アメリカ児童青年期精神医学会)が、一般向けに提供している情報の抄訳です。一部日本の事情にあわせて変えているところがあります。

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