10代の躁うつ病


躁うつ病の子どもは、過度にハイな状態(躁状態)になったり落ち込んだ状態(鬱状態)になったりします。ハイな状態と落ち込みが交互に来ることもあるし、人によってはほぼ同時にハイな気分と落ち込みの両方の気分を訴えることもあります。専門家は、躁うつ病のことを「双極(性)感情障害」ということもあります。

躁うつ病は一般には、成人になってからの35歳以前に発症します。若い子どもには少ないものの、10代でも起こることがあります。この病気は誰にでも起こる可能性があります。しかしながら、両親の内どちらかあるいは両方が躁うつ病であった場合、子どもが躁うつ病になる可能性は高くなります。

躁うつ病は、躁症状・うつ症状のどちらから始まることもあります。

躁症状とは:

うつ症状とは:

このような症状のいくつかは、躁うつ病以外の問題を抱えている場合−たとえば、薬物の乱用、非行、注意欠陥多動障害(A.D.H.D.)や分裂病−の症状に似ています。診断は長期にわたって、注意深く観察した上で初めて可能になります。児童青年期精神科医による十分な評価によって、子どもの問題が躁うつ病によるものか別の問題かをはっきりさせることができ、問題に応じた治療を始めることができるようになるでしょう。

10代の躁うつ病の子どもに対する有効な治療があります。躁うつ病に対する有効な治療は、病気についての家族への教育、炭酸リチウム(リーマス)*などによる薬物療法、精神療法などを含みます。リチウムはしばしば、躁状態になる回数やその程度を減らし、またうつ状態を予防することにも役立ちます。精神療法は、子どもたちが自分のことを理解し、ストレスに適応し、自信を回復し、対人関係を回復することを助けます。

* リチウムは、適切な服用を間違えると重篤な副作用が出る恐れがあります。自己判断で量を調節する事はしないでください。


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このページはthe American Academy of Child and Adolescent Psychiatry(アメリカ児童青年期精神医学会)が、一般向けに提供している情報の抄訳です。一部日本の事情にあわせて変えているところがあります。

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