精神保健に関する情報

急に動悸がしたり息苦しくなる




 
急に動悸がしたり、息苦しくなるという症状はいろいろな病気で起こる可能性があります。心臓や呼吸器の病気などの可能性もありますので、まずは内科の病院で診察を受けられることをすすめます
 内科的な異常が見あたらない、検査を受けたけれどもどこも悪くないといわれた場合は、こころの不調がからんでいる可能性が高くなります。最近雑誌などでも取り上げられることがあるパニックディスオーダー過呼吸症候群から、うつ病やその他のこころの不調でもこのような症状が起こることがあります。
 このような症状だけで診断がつくわけではありませんので、専門医に診断を受ける必要がありますが、ここではパニックディスオーダーについて少し説明します。
 症状が軽く、日常生活に差し支えないような場合で起こる頻度も低いというときは、仕事や私生活でストレスを抱えすぎていないかを見直して、規則正しい生活リズムと適度なストレス発散を心がけてしばらく様子を見てもいいと思います。
 逆に、このような症状に心理的な負担を感じていて、そのために例えば必要な仕事をキャンセルしたり、気持ちが晴れないようなことが続くとか、回数が増えていくようなら早いうちに心療内科や精神科の診察を受ける方がいいでしょう。
 このような症状がおこる回数が増えていくと、起こらないうちから「また同じようなことが起こったらどうしよう」という心配が出てきて、そのことが症状を引き起こしてしまうという悪循環が起こるからです。そして、いろいろなことが億劫になったり、何事にも消極的になったり、場合によってはうつ状態になることもあります。
 症状の裏側に潜んでいるこころの問題を整理することは大切ですが、症状がずっと続いているようではその様な余裕も持てないことが多いので、まずは薬である程度症状をコントロールします。少量の薬で全く症状がなくなってしまうということも少なくありません
 薬を使用すると、ずっと飲み続けなければならなくなるということを心配される方がいます。自分でがんばって克服したいとおっしゃるのですが、皮肉なことに体の調子は自分でがんばることによってすべてをコントロールできるわけではありません。むしろ、がんばることがマイナスに働くこともあるのです。ことに、パニックディスオーダーの人には、自力本願−自分でがんばるという指向性の強い人が多いようです。一旦、人の力や薬の力に頼ることで、肩の力を抜きやすくなることもあります

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