精神保健に関する情報

電車や高速道路なんかで、いつもトイレに行きたくなる




 
電車や高速道路など逃げ場のない場面や、抜けられない会議中などに急にお腹が痛くなったり便意を催してしまうという過敏性腸症候群といわれる病気が、サラリーマンや学生に増えています。このような症状を呈するのは、男性に多いようですが、女性の場合は便秘がちになります。便秘と下痢を交互に繰り返すという人もいます。
 「たかが排便」などと言ってしまえるのは他人事だからで、実際仕事に差し支えることが出てきたり、遅刻をしてしまうようなことが起こってくれば、「たかが・・・」などと悠長なことは言っていられません。配置転換を申し出たり、会社を辞めてしまうようなことになる人だっているのですから。
 このような症状も、身体の病気がないとは限りませんから一度は内科で検査を受けた方がいいでしょうが、以下に述べるような症状に心当たりがある方は、過敏性腸症候群の疑いがあります。
 逃げられないような場面(急行の電車や高速道路の渋滞など)で急に腹痛や便意に襲われる。便意とともに発汗や火照った感じがしたり、不安な気分になり逃げ出したいような気持ちになる。特に朝の通勤時に多い。休みの日などは全く症状が見られないことがある。食べるとすぐに便意を催してしまう。すごくトイレに行きたくなって電車から降りてしまうと、少しおさまったり全く嘘のように便意が引いてしまったりする。
 このような症状に悩んでいる方は、まず規則正しい睡眠と食生活を心がけて下さい。そして、排便も規則正しく出来ることが大切です。それから、このような症状が出る人は多くの場合、もともとお腹の弱い人が多いので、食事の内容にも気をつけて下さい。下痢や軟便になりやすい食べ物は避ける方がいいでしょう。これは人によって違いがあるようですから、食べたものを日記に付けてお腹の調子と見比べて自分の苦手な食べ物を特定することも必要です。アルコールやコーヒーは下痢になりやすいので、朝のコーヒーを飲まないようにするだけで治ってしまった人もいます。
 この病気にもストレスが関係していると言われています。適度なストレス発散、特に運動は規則正しい排便習慣にも役に立ちます。
 このような工夫をしても良くならなかったり、症状がどんどん重くなるような場合。あるいは、気分が滅入ってやる気にならないとか眠りにくいといった症状を伴う場合は、やはり心療内科や精神科のクリニックを受診する方がいいでしょう。

presented by o-clinic