児童や思春期の子どもにとっても、薬物療法は精神疾患の治療のために有用です。医者に薬を使うことをすすめられたら、両親や子ども自身も不安になるかもしれません。子どもの精神疾患の薬物治療の経験のある医師が、薬物を使用すべきかどうかを判断すべきでしょう。医師から、薬物を使用する理由、それによって得られる効果と副作用、可能性のある危険、薬物以外の治療の可能性について説明を受けるようにして下さい。
薬物療法といっても、薬だけ飲んでいればいいということではなく、総合的な治療の一部であって、普通は精神療法なども併用します。
薬物療法を始めるに当たっては、児童精神科医は子どもの状態について、包括的な診断を行います。場合によっては、心理テストや知能テスト、血液検査や心電図、あるいは脳波、頭部CTやMRIなどの検査を行うこともあります。精神科的薬物療法は、様々な問題の治療に用いられます。
例えば以下のような場合です。
精神科で使う薬は大きく分けると以下のようなものがあります。
これらの薬剤の子どもに対する効果は、充分に研究されているというわけではありません。ですから、これらの薬の処方はこれらの薬物の使用経験のある医師が行う必要があります。
精神科の薬物療法は有効な場合でも、副作用が出現することがあります。それは、無視できる程度の軽いものから非常に重篤なものまであります。従って、薬物は包括的な治療計画の下で使用されなければなりませんし、その都度薬物の効果や状態について評価し、同時に精神療法を併用することが必要です。充分な経験を積んだ医師によって処方された適切な薬物は、精神的な問題を持っているこどもたちが元の普通の自分の感じを取り戻す役に立つでしょう。
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このページはthe American Academy of Child and Adolescent Psychiatry(アメリカ児童青年期精神医学会)が、一般向けに提供している情報の抄訳です。一部日本の事情にあわせて変えているところがあります。