覚せい剤取締法

第一章 総則
第二章 指定及び届出
第三章 禁止及び制限
第四章 取扱
第五章 業務に関する記録及び報告
第5章の二 覚せい剤原料に関する指定及び届出、制限及び禁止並びに取扱
第六章 監督
第七章 雑則
第八章 罰則
別表





第五章の二 覚せい剤原料に関する指定及び届出、制限及び禁止並びに取扱
 

(指定の要件)
第三十条の二

 覚せい剤原料輸入業者若しくは覚せい剤原料輸出業者又は覚せい剤原料製造業者の指定は業務所又は製造所ごとに厚生労働大臣が、覚せい剤原料取扱者又は覚せい剤原料研究者の指定は業務所又は研究所ごとにその所在地の都道府県知事が、厚生労働省令の定めるところにより、次の各号に掲げる者のうち適当と認める者について行う。
  1. 覚せい剤原料輸入業者については、医薬品製造業者、薬事法第二十二条第一項(輸入販売業の許可)の規定により医薬品の輸入販売業の許可を受けている者その他覚せい剤原料を輸入することを業としようとする者又は業務のため覚せい剤原料の輸入を必要とする者
  2. 覚せい剤原料輸出業者については、薬事法第五条第一項(薬局開設の許可)の規定により薬局開設の許可を受けている者(以下「薬局開設者」という。)、医薬品製造業者、同法第二十六条第一項(医薬品の一般販売業の許可)又は第二十八条第一項(薬種商販売業の許可)の規定により一般販売業又は薬種商販売業の許可を受けている者(以下この条において「医薬品販売業者」という。)その他覚せい剤原料を輸出することを業としようとする者
  3. 覚せい剤原料製造業者については、医薬品製造業者その他覚せい剤原料を製造することを業としようとする者又は業務のため覚せい剤原料の製造を必要とする者
  4. 覚せい剤原料取扱者については、薬局開設者、医薬品製造業者、医薬品販売業者その他覚せい剤原料を譲り渡すことを業としようとする者又は業務のため覚せい剤原料の使用を必要とする者
  5. 覚せい剤原料研究者については、覚せい剤原料に関し相当の知識を持ち、かつ、研究上覚せい剤原料の製造又は使用を必要とする

(指定の取消し及び業務等の停止)
第三十条の三

 覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者、覚せい剤原料取扱者又は覚せい剤原料研究者がこの法律の規定、この法律の規定に基づく処分又は指定若しくは許可に付した条件に違反したときは、厚生労働大臣は覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者又は覚せい剤原料製造業者について、都道府県知事は覚せい剤原料取扱者又は覚せい剤原料研究者について、それぞれその指定を取り消し、又は期間を定めて、覚せい剤原料に関する業務若しくは研究の停止を命ずることができる。


 第八条第二項(聴聞等の方法の特例)の規定は、前項の規定による処分に関し準用する。

(業務の廃止等の届出)
第三十条の四

 覚せい剤原料輸入業者がその業務所における覚せい剤原料の輸入の業務を廃止したとき、覚せい剤原料輸出業者がその業務所における覚せい剤原料の輸出の業務を廃止したとき、覚せい剤原料製造業者がその製造所における覚せい剤原料の製造の業務を廃止したとき、覚せい剤原料取扱者がその業務所における覚せい剤原料の譲渡若しくは使用に係る業務を廃止したとき、又は覚せい剤原料研究者がその研究所における覚せい剤原料の製造若しくは使用を必要とする研究を廃止したときは、それぞれ、当該廃止の日から十五日以内に、覚せい剤原料輸入業者若しくは覚せい剤原料輸出業者又は覚せい剤原料製造業者にあつては当該業務所又は製造所の所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に、覚せい剤原料取扱者又は覚せい剤原料研究者にあつては当該業務所又は研究所の所在地の都道府県知事に、指定証を添えてその旨を届け出なければならない。


 前項の規定による届出は、覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者、覚せい剤原料取扱者又は覚せい剤原料研究者が、死亡した場合にはその相続人が、解散した場合にはその清算人又は合併後存続し若しくは合併により設立された法人がしなければならない。

(指定及び届出に関する準用規定)
第三十条の五

 第四条から第七条まで(指定の申請手続、指定証、指定の有効期間、指定の失効)及び第十条から第十二条まで(指定証の返納及び提出、指定証の再交付、氏名又は住所等の変更届)の規定は、覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者、覚せい剤原料取扱者及び覚せい剤原料研究者に関し準用する。この場合において、これらの規定中「覚せい剤製造業者」とあるのは「覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者又は覚せい剤原料製造業者」と、「覚せい剤施用機関」とあり(第十二条第二項の場合を除く。)、「覚せい剤施用機関の開設者」とあるのは「覚せい剤原料取扱者」と、「覚せい剤研究者」とあるのは「覚せい剤原料研究者」と、第四条第一項、第五条第二項、第十条第一項及び第二項、第十一条並びに第十二条第一項中「製造所」とあるのは「業務所又は製造所」と、第四条第二項、第十条第一項及び第二項並びに第十一条中「病院若しくは診療所」とあり、第十二条第二項中「病院又は診療所」とあるのは「業務所」と、第五条第一項中「当該製造業者」とあるのは「当該輸入業者、輸出業者又は製造業者」と、「当該施用機関の開設者」とあるのは「当該取扱者」と、第六条中「その翌年」とあるのは、「、その指定の日から四年を経過した日の属する年」と、第七条中「第九条」とあり、第十条第一項中「前条」とあるのは「第三十条の四」と、第十条第二項中「第八条第一項(指定の取消及び業務等の停止)若しくは薬事法第七十五条第一項(許可の取消し等)の規定」とあり、「第八条第一項の規定」とあるのは「第三十条の三第一項の規定」と、「医療法第二十九条(開設許可の取消及び閉鎖命令)の規定による閉鎖命令の処分」とあるのは「第三十条の三第一項の規定による業務停止の処分」と、第十条第三項中「業務停止期間、閉鎖期間」とあるのは「業務停止期間」と、第十二条第二項中「覚せい剤施用機関の名称」とあるのは「氏名(法人にあつてはその名称)若しくは住所又は業務所の名称」と読み替えるものとする。

(輸入及び輸出の制限及び禁止)
第三十条の六

 覚せい剤原料輸入業者が、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣の許可を受けて、その業務のため覚せい剤原料を輸入する場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を輸入してはならない。


 覚せい剤原料輸出業者が、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣の許可を受けて、その業務のため覚せい剤原料を輸出する場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を輸出してはならない。


 覚せい剤原料輸入業者又は覚せい剤原料輸出業者は、前二項の規定により覚せい剤原料の輸入又は輸出の許可を受けようとするときは、厚生労働省令の定めるところにより、その業務所の所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に申請書を出さなければならない。

(輸出の際の表示)
第三十条の六の二

 覚せい剤原料輸出業者は、覚せい剤原料を輸出するときは、その品名及び数量について虚偽の表示をしてはならない。

(所持の禁止)
第三十条の七

 次の各号に掲げる場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を所持してはならない。
  1. 覚せい剤原料輸入業者がその業務のため覚せい剤原料を所持する場合
  2. 覚せい剤原料輸出業者がその業務のため覚せい剤原料を所持する場合
  3. 覚せい剤原料製造業者又は覚せい剤製造業者がその業務のため覚せい剤原料を所持する場合
  4. 覚せい剤原料取扱者がその業務のため覚せい剤原料を所持する場合
  5. 覚せい剤原料研究者又は覚せい剤研究者が研究のため覚せい剤原料を所持する場合
  6. 病院若しくは診療所の開設者、医療法第五条第一項(往診医師等に関する特例)に規定する医師若しくは歯科医師(以下「往診医師等」という。)又は飼育動物診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二項に規定する診療施設をいい、往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者の住所を含む。以下同じ。)の開設者(往診のみによつて飼育動物の診療業務を自ら行う獣医師を含む。以下同じ。)がその業務のため医薬品である覚せい剤原料を所持する場合
  7. 薬局開設者が医師、歯科医師又は獣医師の処方せんにより薬剤師が調剤した医薬品である覚せい剤原料及び当該調剤のために使用する医薬品である覚せい剤原料を所持する場合
  8. 薬局、病院若しくは診療所において調剤に従事する薬剤師、病院若しくは診療所の管理者、病院若しくは診療所において診療に従事する医師若しくは歯科医師又は獣医療法第五条第二項(同法第七条第二項において準用する場合を含む。)に規定する管理者(以下「獣医師管理者」という。)若しくは飼育動物(同法第二条第一項に規定する飼育動物をいう。以下同じ。)の診療に従事する獣医師(飼育動物診療施設の開設者である獣医師及び飼育動物診療施設の開設者に使用されている獣医師に限る。以下同じ。)がその業務のため医薬品である覚せい剤原料を所持する場合
  9. 前各号に規定する者の業務上の補助者がその業務のため覚せい剤原料を所持する場合
  10. 郵便又は物の運送の業務に従事する者がその業務を行う必要上覚せい剤原料を所持する場合
  11. 病院若しくは診療所において診療に従事する医師若しくは歯科医師、往診医師等又は飼育動物の診療に従事する獣医師から施用のため医薬品である覚せい剤原料の交付を受けた者が当該覚せい剤原料を所持する場合及び当該交付を受ける者の看護に当たる者がその者のため当該覚せい剤原料を所持する場合
  12. 医師、歯科医師又は獣医師の処方せんの交付を受けた者が当該処方せんにより薬剤師が調剤した医薬品である覚せい剤原料を所持する場合及び当該交付を受ける者の看護に当る者が、その者のため、当該処方せんにより薬剤師が調剤した医薬品である覚せい剤原料を所持する場合
  13. 法令に基いてする行為につき覚せい剤原料を所持する場合

(製造の禁止)
第三十条の八

 次の各号に掲げる場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を製造してはならない。
 
  1. 覚せい剤原料製造業者又は覚せい剤製造業者がその業務のため覚せい剤原料を製造する場合
  2. 覚せい剤原料研究者又は覚せい剤研究者が研究のため覚せい剤原料を製造する場合

(譲渡及び譲受の制限及び禁止)
第三十条の九

 次の各号に掲げる場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
  1. 第三十条の七(所持の禁止)第一号から第五号までに規定する者が、その業務又は研究のため、その相互の間において、覚せい剤原料を譲り渡し、又は譲り受ける場合
  2. 第三十条の七第六号又は第七号に規定する者が、その業務のため、同条第一号又は第三号から第五号までに規定する者から医薬品である覚せい剤原料を譲り受ける場合
  3. 病院若しくは診療所において診療に従事する医師若しくは歯科医師、往診医師等又は飼育動物の診療に従事する獣医師が施用のため医薬品である覚せい剤原料を交付する場合及び薬局開設者又は病院若しくは診療所の開設者が医師、歯科医師又は獣医師の処方せんにより薬剤師が調剤した医薬品である覚せい剤原料を当該処方せんを所持する者に譲り渡す場合
  4. 覚せい剤原料輸入業者又は覚せい剤原料輸出業者が、第三十条の六(輸入及び輸出の制限及び禁止)第一項又は第二項の規定による厚生労働大臣の許可を受けて、その業務のため、覚せい剤原料を輸入し、又は輸出する場合
  5. 法令による職務の執行につき覚せい剤原料を譲り渡し、又は譲り受ける場合

(譲渡証及び譲受証)
第三十条の十

 覚せい剤原料を譲り渡し、又は譲り受ける場合(前条第三号及び第四号の場合を除く。)には、譲渡人は厚生労働省令で定めるところにより作成した譲渡証を、譲受人は厚生労働省令で定めるところにより作成した譲受証を相手方に交付しなければならない。


 前項の譲受人は、同項の規定による譲受証の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該相手方の承諾を得て、当該譲受証に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該譲受人は、当該譲受証を交付したものとみなす。


 第一項の譲受証若しくは譲渡証又は前項前段に規定する方法が行われる場合に当該方法において作られる電磁的記録は、当該交付又は提供を受けた者において、当該覚せい剤原料の譲受又は譲渡の日から二年間、保存しなければならない。

(使用の禁止)
第三十条の十一

 次の各号に掲げる場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を使用してはならない。
 
  1. 第三十条の七(所持の禁止)第三号から第五号までに規定する者がその業務又は研究のため使用する場合
  2. 往診医師等及び第三十条の七第八号に規定する者が、その業務のため、医薬品である覚せい剤原料を施用し、又は調剤のため使用する場合
  3. 病院若しくは診療所において診療に従事する医師若しくは歯科医師、往診医師等又は飼育動物の診療に従事する獣医師から施用のため薬 品である覚せい剤原料の交付を受けた者が当該覚せい剤原料を施用する場合及び医師、歯科医師又は獣医師の処方せんの交付を受けた者が当該処方せんにより薬剤師が調剤した医薬品である覚せい剤原料を薬局開設者又は病院若しくは診療所の開設者から譲り受けて施用する場合
  4. 法令に基いてする行為につき使用する場合

(保管)
第三十条の十二

 第三十条の七(所持の禁止)第一号から第七号までに規定する者(病院又は診療所にあつてはその管理者とし、飼育動物診療施設にあつてはその獣医師管理者とする。以下第三十条の十四において同じ。)は、その所有し、又は所持する覚せい剤原料をそれぞれ次に掲げる場所において保管しなければならない。
 
  1. 覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者又は覚せい剤製造業者にあつては、その業務所若しくは製造所又は厚生労働省令の定めるところによりあらかじめ都道府県知事を経て厚生労働大臣に届け出た場所
  2. 覚せい剤原料取扱者にあつては、その業務所又は厚生労働省令の定めるところによりあらかじめ都道府県知事に届け出た場所
  3. 覚せい剤原料研究者又は覚せい剤研究者にあつては、その研究所
  4. 薬局開設者にあつては、その薬局
  5. 病院又は診療所の管理者にあつてはその病院又は診療所、往診医師等にあつてはその住所
  6. 飼育動物診療施設の獣医師管理者にあつてはその施設、往診のみによつて飼育動物の診療業務を自ら行う獣医師にあつてはその住所

 前項の保管は、かぎをかけた場所において行なわなければならない。

(廃棄)
第三十条の十三

 第三十条の七(所持の禁止)第一号から第七号までに規定する者は、その所有する覚せい剤原料を廃棄しようとするときは、当該覚せい剤原料の保管場所の所在地の都道府県知事に届け出て当該職員の立会の下に行なわなければならない。

(事故の届出)
第三十条の十四

 第三十条の七(所持の禁止)第一号から第七号までに規定する者は、その所有し、又は所持する覚せい剤原料を喪失し、盗み取られ、又はその所在が不明となつたときは、すみやかにその覚せい剤原料の品名及び数量その他事故の状況を明らかにするため必要な事項を、同条第一号から第三号までに規定する者にあつては当該覚せい剤原料の保管場所の所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に、その他の者にあつては当該覚せい剤原料の保管場所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

(指定の失効等の場合の措置義務)
第三十条の十五

 第三十条の七(所持の禁止)第一号から第七号までに規定する者(国又は地方公共団体の開設する病院又は診療所にあつては、その管理者とし、管理者がない場合には開設者の指定する職員とし、国又は地方公共団体の開設する飼育動物診療施設にあつてはその獣医師管理者とする。)は、次に掲げる場合においては、その事由の生じた日から十五日以内に、同条第一号から第三号までに規定する者にあつては当該覚せい剤原料の保管場所の所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に、その他の者にあつては当該覚せい剤原料の保管場所の所在地の都道府県知事に当該事由が生じた際その者が所有し、又は所持していた覚せい剤原料の品名及び数量を報告しなければならない。
  1. 覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者、覚せい剤製造業者、覚せい剤原料取扱者、覚せい剤原料研究者又は覚せい剤研究者の指定が効力を失つたとき(第二十五条(再指定の場合の特例)(次条第一項において準用する場合を含む。)に規定する指定の申請をした場合にはその申請に対する拒否の処分があつたとき。)。
  2. 薬局開設者がその薬局を廃止したとき、その許可の有効期間が満了してその更新を受けなかつたとき、又は薬事法第七十五条第一項(許可の取消し等)の規定によりその許可を取り消されたとき。
  3. 病院若しくは診療所の開設者がその病院若しくは診療所を廃止し、若しくは医療法第二十九条第一項(開設許可の取消及び閉鎖命令)の規定によりその病院若しくは診療所の開設の許可を取り消されたとき、又は往診医師等がその診療を廃止したとき。
  4. 飼育動物診療施設の開設者がその施設又は飼育動物の診療業務を廃止したとき。


 前項の場合において、当該報告をしなければならない者は、同項各号に掲げる事由が生じた日から三十日以内に、その所有し、又は所持する覚せい剤原料を第三十条の七第一号から第七号までに規定する者に譲り渡し、かつ、譲り渡した覚せい剤原料の品名及び数量並びに譲受人の氏名(法人にあつてはその名称)及び住所を、前項に規定する区分に従い都道府県知事を経て厚生労働大臣に又は都道府県知事に、報告しなければならない。


 前項に規定する者が同項の期間内に当該覚せい剤原料を譲り渡すことができなかつた場合には、その者は、すみやかに当該職員の立会を求めその指示を受けて当該覚せい剤原料につき廃棄その他の処分をしなければならない。


 第二十四条第四項(指定の失効の場合の措置義務)の規定は、第一項第三号又は第四号の場合において病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の開設者が国又は地方公共団体である場合を除いて、前三項の規定による報告及び譲渡、廃棄その他の処分につき、前三項の規定により報告及び譲渡、廃棄その他の処分をしなければならない者に関し準用する。


 前三項の場合においては、第二項又は第三項の規定により覚せい剤原料の譲渡、廃棄その他の処分をしなければならない者及びこれらの者の相続人、清算人又は合併後存続し、若しくは合併により設立された法人並びにこれらの者の業務上の補助者については、第一項各号に掲げる事由の生じた日から前三項の規定による譲渡、廃棄その他の処分をするまでの間は、第三十条の七の規定は、適用しない。


 第二項及び第四項の場合には、第三十条の九(譲渡及び譲受の制限及び禁止)の規定は、適用しない。

(準用規定)
第三十条の十六

 第二十五条(再指定の場合の特例)の規定は、覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者、覚せい剤原料取扱者及び覚せい剤原料研究者に関し準用する。この場合において「覚せい剤製造業者であつた者」とあるのは「覚せい剤原料輸入業者であつた者、覚せい剤原料輸出業者であつた者、覚せい剤原料製造業者であつた者」と、「覚せい剤施用機関の開設者」とあるのは「覚せい剤原料取扱者」と、「覚せい剤研究者」とあるのは「覚せい剤原料研究者」と、「第六条」とあるのは「第三十条の五(指定及び届出に関する準用規定)において準用する第六条」と、「覚せい剤製造業者、」とあるのは「覚せい剤原料輸入業者、覚せい剤原料輸出業者、覚せい剤原料製造業者、」と、「覚せい剤施用機関又は」とあるのは「覚せい剤原料取扱者又は」と、「それらの者及び当該覚せい剤施用機関の管理者であつた者については第十四条第一項」とあるのは「それらの者及びその業務上の補助者については第三十条の七」と読み替えるものとする。


 第二十七条(国庫に帰属した覚せい剤の処分)の規定は、覚せい剤原料に関し準用する。

(帳簿)
第三十条の十七

 第三十条の七(所持の禁止)第一号又は第二号に規定する者は、それぞれその業務所ごとに帳簿を備え、次に掲げる事項を記入しなければならない。
  1. 輸入し、輸出し、譲り渡し、又は譲り受けた覚せい剤原料の品名及び数量並びにその年月日
  2. 覚せい剤原料の輸入又は輸出の相手方の氏名又は名称及び住所
  3. 第三十条の十四(事故の届出)の規定により届出をした覚せい剤原料の品名及び数量


 第三十条の七第三号から第五号までに規定する者は、それぞれその業務所、製造所又は研究所ごとに帳簿を備え、次に掲げる事項を記入しなければならない。
  1. 製造し、譲り渡し、譲り受け、又は業務若しくは研究のため使用した覚せい剤原料の品名及び数量並びにその年月日
  2. 第三十条の十四の規定により届出をした覚せい剤原料の品名及び数量


 前二項に規定する者は、前二項の帳簿を最終の記入をした日から二年間保存しなければならない。